香りの歴史3‐香りの始まり編‐

History

香(香料)りの始まりはどこからなのか?

6大文明にも壁画や石板に香りについての情報が残っているものや、遺跡の情報からは香りについての歴史が見られない中にも、現代に継承されている香りの文化が垣間見れるものがあります。
それでも、今残っている古代の文献からは全てが解き明かされているわけではありません。
まだまだ、見つかっていない遺跡や遺物などが見つかり新たなる発見があるかもしれません。
そのため、香りの歴史で文献に乗っていない時代を遡っていくには、今の分かっている情報から推測するしかありません。

推測する上で私が、一番正しいのではと思われる文献を紹介したいと思います。

スパイスや香料の研究で多くの書籍を残された山田 憲太郎さんの「香料の歴史」に書かれている内容です。

特異なにおいを発する香料は,薬物としてまずとりあげられ、祭祀の呪術と結びついて、神秘的な魔力をもつものと信じられた、そして火祭りのときの妙香の儀礼を生じ、祭祀には欠くことのできないものとなった、また礼拝する神の像や偶像に、匂いの入った膏や油をぬり、あるいは祭祀に奉仕する特定の人びとの身体を浄めるため彼らの身体にぬるようになった、こうして化粧料が生じる、さらに祭祀の供え物である飲食料品の、保存と味と刺激を増すため、香気のあるものを利用し、ここにスパイスの存在が認められるようになる。このようにして、薬物とは別に、香料としてインセンス(焚香料)、コスメチックス(化粧料)、スパイス(香辛料)の三つが、人間生活にとりあげられた。

この中で、香料は薬として使用され始め、次に薫香、コスメ、香辛料が使われるようになり、様々な形で生活で使用されているという内容です。

この説について自分なりに捉えると、古代の大きな文明ができる以前には、各村々には村の長的な役割で医師、巫女、霊媒師、呪術者、宗教家、予言者や占い師など様々な役割を持ったシャーマンがいたとされており、シャーマンは薬草などの知識に精通し、人々の病を治すことで信頼を得て村の長になり、呪術などで薫香や香料を自分や患者の体に塗ることで儀式を神聖なものへと高めていったと考えられることからも、道理を得た説だと納得できます。
また、薬や保存料としての延長線上に香辛料があったのだと思います。
ただ、推論であることからも100%正しいとは言い切れません。

他にも考えられることとしては、動物が体臭を消すために植物を体にこすり付ける行為や、食べれるものを探す中でスパイスを発見し使い始めた事が香りの始まりかもしれません。
また、たまたま火を扱い始めて薪にした木そのものや、木に付いた樹脂が燃える香りを好み使用し始めたものが最初で、薫香が香りの始まりとも考えられます。

様々な書籍や文献でいろいろな意見があり、いろんな推測の中で香りの始まりが描かれており、人それぞれにいろんな見解があります。

間違いなく言えるのは、動物は本能的に香りを使っており、香りは重要な役割をしているということは間違いありません。
香りは、五感の中で唯一、大脳辺縁系に直接伝達される感覚です。
嗅覚の情報は視聴覚の情報と異なり、大脳新皮質を経由せず、本能的な行動や感情、直感に関わる大脳辺縁系にダイレクトに届き自律神経系・ホルモン系・免疫系に影響を与えます。
なので、香りは感情をリセットしたり、気分を左右したりする要素であり、記憶と結びつくことで、リラックスやリフレッシュなどの心身共に心理作用をもたらします。
また、特定の香りから、それにまつわる過去の記憶が呼び起こされる現象(プルースト現象)が起こります。
そして、食べ物腐敗やカビによる嫌な臭い、ものが焦げた嫌な臭いなどで人体に悪影響を及ぼすものを避けるようになっています。
このように、人間は本能的に香りをつかって様々な判断をしており、香りは人間になくてはならないものであり、人間ないし、動物は誕生した時から香りの歴史が始まっていると言っていいのかもしれません。

主要参考文献
 山田 憲太郎 (1964)「香料の歴史」:紀伊国屋新書

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